街の窓屋さんの窓のおはなし①
洞穴や木陰で生きていた人はいつごろから「家」に住み始めたのでしょうか?
日本では、3万年から1万年くらい前の、旧石器時代に横穴式住居→竪穴式住居と進化していった頃からが「家」の始まりだといわれています。
この頃から出入り口をふさぐ玄関扉、彩光や排煙のための排煙窓、雨を防ぐ庇があります。
竪穴式住居
木を加工する技術は急速に発達し、彩光、通風、眺望目的の窓には可動式の建具が建てられ、雨戸+紙貼り障子といった窓も広まり、四季折々の季節を快適に過ごす工夫がいっぱいの家が江戸時代まで発展し続けます。
寺内町 旧杉山家住宅(重要文化財) 画像:photo-ac.com
ガラスを使った窓が一般家屋にも使われ始めたのは、明治時代と言われていますが、大正12年の関東大震災の復旧工事から急速に広まった様子です。この頃は木枠に板ガラスをはめ込んだ窓が主流で、窓の種類も引違い窓がほとんどでした。
日本でアルミサッシが一般住宅に普及し始めたのは昭和35年ごろです。高度経済成長の波に乗って急速に広まりました。同時に網戸も急速に普及し、窓の種類も増えました。
近年から現在にかけて、地球温暖化対策として、ペアガラスのアルミサッシ、アルミ・樹脂複合サッシが新築住宅の主流となっています。
ペアガラスとは…
ガラスを2枚使って真ん中に密封された乾燥空気層を作ったものです。
特に内側に特殊金属膜を貼ったものをLowEペアガラスといいます。
そして、まさに、今!窓には新時代が訪れています。
●アルミの耐久性と、樹脂の断熱性を備えた、ハイブリッドサッシ
●ペアガラスの性能を大きく上回るトリプルガラス
・・・乾燥空気の代わりに特殊ガスを混入し、さらに断熱性を高めたトリプルガラスもあります。
開口部の面積を大きくしても断熱性が損なわれないため、彩光、採風をスマートに設計できます。
電気の使用を最小限で押え、太陽光発電等の再生可能エネルギーのみで生活できる家(スマートハウス)が新築の5割を超える日は近い将来の話です。